皆さんガストロまたはウロコマグロと言う魚をご存知でしょうか? もしかしたらご年配の方はその存在を知っているかもしれません。
この記事では、 ガストロ(ウロコマグロ)とは一体どんな魚なのか、 食べて安全なのか、 なぜガストロが急にスーパーにで回り始めたのかを紹介します。
さらに実際に食べてみてガストロはおいしいのか、 魚の特徴からみたおすすめのガストロ調理法を解説します。
私は現役の水産物バイヤーであり、合格率10%ともいわれる珍資格「日本さかな検定1級」を所持しています。私が初めてウロコマグロ(ガストロ)を食べたので嬉しくて執筆するのも本記事の動機のひとつです!
ウロコマグロが「はま寿司」に登場した!
2023年3月、なんとはま寿司にウロコマグロがメニューとして登場しました。
本記事ではウロコマグロの魅力をたっぷり伝えています。ぜひシェアしてください。
https://www.hama-sushi.co.jp/topics/2023/0314000397.html
ウロコマグロってどんな魚?
ウロコマグロ(ガストロ)はスズキ目サバ科ガストロ属に属するマグロに近い魚です。 ガストロと言う名前は、学名の Gasterochisma melampus からきています。
英名では腹びれが大きなことからButterfly Tuna(蝶のマグロ)と呼ぶそうです。
私たちがよく回転寿司などで食べているマグロ(メバチマグロ)は、スズキ目サバ科サバ亜科マグロ族に属する魚です。ガストロは、マグロに近いながらも一般的な認識からいうとマグロの仲間ではない種類と言うことができます。
体の表面が大きな鱗で覆われており、マグロに近い見た目から鱗マグロと言われるようになりました。
ガストロは体長2メートル、 体重190キロ起こすこともある大きな魚です。
ガストロはもともと高級マグロの1種であるミナミマグロの漁業によって混獲(生息域が同じであり、漁獲対象ではない生物を一緒に漁獲すること)される 価値の低い魚でした。
それが次第に加工品などに出回るようになり、西京漬けや粕漬け、照り焼きなどの 惣菜魚として出回るようになりました。
ただ面白いのは、これまでほとんど見かけなかったスーパーなどの小売店でもガストロの切り身を販売するようになったのです。
なぜここ最近ガストロ(ウロコマグロ)が出回るようになってきたのか
最近の円安や世界的な水産物の需要増に伴って、スーパーで買える魚の値段もかなり高くなってきました。なかなか庶民には手が届きにくい価格になりつつあります。
実は多くのスーパーにおいて、魚部門は赤字であることが多いのです。スーパーの魚部門も 売り上げの縮小に伴って年々縮小を続けています。
実は多くのスーパーにおいて、魚部門は赤字であることが多いのです。
このままでは私たち庶民が普段日常的に食べる魚は、サーモン、タイ、カンパチなど安定的に生産できる養殖魚が中心になっていってしまうかもしれません。もちろん それらの養殖魚は味も良く鮮度も良く値段も安定していて非常に魅力的ですが。
水産物の価格上昇に伴って、 本記事で紹介しているガストロ(ウロコマグロ)や銀ヒラス、これまで目にすることのなかった様々な魚種がスーパーに並ぶようになり始めています。
ガストロ(ウロコマグロ)の味は?
ウロコマグロは、切り身になっていると薄いピンク色の見た目です。メカジキやびん長まぐろに非常に近い感じですね。
ちなみにビンチョウマグロはシーチキンなどでも使われる非常においしい魚です。メカジキも家庭にすっかり馴染んだ美味しい魚ですね。
今回私が買ったガストロの切り身は ほとんど脂がない切り身でした。そのため、バターとオリーブオイルをたっぷり使ったムニエルでいただいてみました。
ガストロの身質はしっとりとして柔らかく、見た目どおりビンチョウマグロに近い食感です。クセはなくどのような味付けにもよく合うことでしょう。
解凍ものにもかかわらず臭みもドリップもない、調理しやすくて優秀な魚(食材として)に思えました。
ただ、マグロやカジキと比較すると若干旨味は少ないかなと感じました。脂が薄いせいもあるかもしれません。
ガストロ(ウロコマグロ)のおすすめ調理法
ガストロはクセがなく色々な味付けが楽しめる魚です。しかし脂のりが薄いことがありますので、油を使ったムニエルや唐揚げ、フライなど揚げ物によく合うと思います。
また、柔らかくピンク色の美しい見た目のため、お刺身でも通用する魚だと思います。ただし、スーパーで販売されている加熱用のものを刺身で食べるのはやめておきましょう。
ガストロ(ウロコマグロ)は美味しくて安くて魅力的な魚。最高!
ということで最近よく出回っているガストロ(ウロコマグロ)の紹介をしました。
ガストロは安くて調理しやすくて美味しくて調理法を選ばない素晴らしい魚でした。おすすめは油を使った調理です。
前回の記事では栃木県におけるモロ(サメ)の 流通について書きました。こちらもあわせてどうぞ。
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