夏休みに入り、海の季節になりましたね。おもくら魚部の部長であり魚好きの私はもちろん毎年海に何度も足を運びます。
しかし目的は海水浴ではなく、海の生きもの探し。磯の潮だまりに生息している生き物を捕まえるのが本当に楽しいんです。
三浦半島の朝市でウツボの切り身を買った
そんなわけで今年もようやく海に行ったんですが、道中でちょっとした朝市が開催されているのを発見。
新鮮なイワシやサバのほか、マンボウの腸(珍味で美味しい)や佐島名物のマダコなんかも販売されていました。
そこで見つけたのが今回紹介する『ウツボ』です。
ウツボは通常価格500円のところ200円引きで300円になってました。昨日の売れ残りかな?一度食べたことがあった気がするけど、せっかくなので買ってみることにしました。
こうして面白いモノを見つけた時に迷わず買ってみる。面白く暮らすコツなのかもしれません。
うーん、グロい。
ウツボは岩の間などに生息している肉食魚です。海のギャングとも呼ばれ、鋭い歯を持っています。
陸上でもある程度動けるうえ、噛みついてくることもあるので磯で生き物探しやウツボが釣れたときは本当に気をつけましょう。アゴの力が強くて非常に危険です。
ウツボを食べるときの下処理
ウツボは一般的なスーパーや魚屋さんなどにはほとんど出回ることのない魚です。いわゆる「未利用魚・低利用魚」と呼ばれるもののひとつです。
未利用・低利用である理由にはウツボの食材としての難点が挙げられます。
1つ目の難点は皮が分厚く硬いこと。食欲を減退させる柄なだけでなく、やたらと丈夫なうえに分厚くて非常に厄介。皮を剥いでもいいかもしれないけど、食べられる部分がだいぶ減ってしまうんです。しかも独特の匂いがある。
2つ目は小骨。ウツボは小骨が太く丈夫なうえ、皮の付近にまで小骨があるためそのままでとても食べづらい。小骨もウナギのように細いものなら気にならないんですが…。
食卓に上がることが多いアジやサバといった魚たちは、このような問題点がなくて食べやすいんです。
ということで今回は、皮は表面を水道水でしっかり洗って臭みを抜き、ハモなどに用いられる「骨切り」という方法で小骨を断ち切って食べやすくなるように下ごしらえしました。
ただ、ハモと比べるとめちゃくちゃ骨硬い…。
塩焼きにしてみる
皮にクセがありそうだったので塩胡椒を振って15分ほどおき、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取って油をひいたフライパンへ。
皮をパリっと食べたかったので油は少し多めにしてみました。
ウツボの身は水分が多い
焼いてみて感じたのはウツボの身には水分が多いこと。塩をして水分を出しておいたにもかかわらず、加熱すると水がやたら出ました。
水分の多い魚は塩焼きよりも蒸し料理や煮付けのほうが向いていることが多いです。ウツボももしかしたら蒸し料理が美味しいかも。
ウツボを焼いている最中の香りは最高に美味しそう。上質な白身魚の干物を焼いているときの香りに近いです。
焼いたウツボを食べる
完成。これがウツボの塩焼きです。普通に美味しそう。少なくともまずい気はしない
ウツボの身は旨味あり、しっかりした食感だが骨が邪魔
ウツボはしっかりした旨味があり美味しいです。ただ、骨切りしたにもかかわらず骨が口に残る。というのもやたらと骨が硬いのです。
骨を気にしないためには、もっと細かい間隔で骨切りしなきゃいけないようです。でも骨も硬くてなかなか断ち切れません。ウツボ、手強いです。
骨の問題がクリアできればウツボは美味しく食べられると思います。
ウツボの皮はモチモチで味がない
ウツボの皮は水分が多いためパリッと焼けないうえ、皮と身の間のコラーゲン質が分厚くてモチモチした食感。うーん、食感は鶏皮に近い感じ。個人的にはあまり好きじゃないかも。
まとめ:ウツボはまずくない
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ウツボは決してまずい魚ではない。むしろ美味しいです。ただ、骨が非常に面倒なのと、皮の食感が気に入らない人は多いかもしれません。
またウツボを買うか?と聞かれたら、今年はもういいかな…と思ってしまう感じでした。未利用魚の理由がわかった気がします。
ただ朝市のおっちゃん曰く、丑の日はウナギよりもウツボのほうがよく売れたとのことです。ほんまか?
ということで、今後もおもくらをよろしくお願いします。
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