こんにちは。面白く暮らすことを目的にブログ運営を続けております、おもくらです。
生き物は一生かかってもすべてを知ることができない、まさに無限のコンテンツです。
とくに日本の磯(タイドプール)は毎日通っても毎日発見がある魅力的な場所です。
イボニシを餌にして魚を釣る
イボニシという巻貝をご存知でしょうか。磯の岩場にくっついている、数cmの小さな貝です。
これを岩で砕いて身を針に付け、磯に放り投げるだけでベラやメジナなど小魚が釣れちゃいます。
これがなかなか楽しくて、今日もイボニシを使って魚と遊んでいたわけです。
臭い汁が付いて大変なことに
稀に誤ってイボニシの内臓を傷つけてしまうことがあるんです。
すると黄色い液体が出てくるんですが、これが厄介でした。手に付いたとたん、腐った魚のようなものすごい臭いを発したのです。
これはまずいと思ってすぐに手を洗いましたが、まったく臭いは落ちず。
どのくらい臭いかといえば、腐った魚でハンバーグを作るためにこねた時(そんなことは生まれてから一度もない)くらい臭いです。
アルコール消毒やせっけんでもまったくこの臭いは落ちることがありません。
手が鮮やかな紫色に

そうこうしている間に、なぜが指が紫色に染まり始めました。
この紫色も、臭いと同じくせっけんやアルコールでもまったく落ちる気配がありません。
『貝紫色』ロイヤルパープル
ほかの貝類ではこんなことが起こったことがなかったのでさっそく調べてみると、これはイボニシなどアッキガイ科に属する貝類の分泌液に特徴的な色らしく、古くはローマ帝国では効果な染物として利用されていたそうな。
貝紫と呼ばれ、日本でも利用されていたそうです。
主成分は臭素を含むインディゴ誘導体の6,6′-ジブロモインジゴである。
引用 Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%9D%E7%B4%AB%E8%89%B2
とのことで、臭素を含むなら臭くてもしょうがないね。
日本では三重県志摩地方で海女がドーマンセーマンという魔除けのおまじないのマークを付けることがあります。
着物にこのドーマンセーマンの模様を描く際、イボニシなどの貝紫が使われていたそうです。
生き物と自然は発見がとても多い
ということで、非常に臭い想いはしたもののそれと引き換えに良い知識を得ることができました。
ローマ帝国や日本の海女たちは、あのとてつもない臭いをどうやって回避したのかがいまだに気になります。
今回は温泉でシャンプーしてたら臭いが落ちた気がします。
イボニシを餌にするときは貝紫にじゅうぶん注意しましょう。おもくらでした。
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