先日石垣島旅行のお土産として、八重山かまぼこなるものをいただきました。
本州ではなかなか見ない面白いかまぼこでしたので、日本さかな検定1級所持、魚のプロである私がプロ目線で珍しい、面白いと思った点を紹介していきます。
八重山かまぼことは?
八重山かまぼこは石垣島発祥の揚げかまぼこであり、今では石垣島の代表的なお土産の1つとのこと。
八重山諸島の近海でとれる白身魚を使って作られたかまぼこが元となっており、石垣島独自の食材をふんだんに使ったかまぼこだそうな。
かまぼこには種類が存在する。八重山かまぼこはどっち？
実は私たちが普段「かまぼこ」と呼んでいるものには大きく分けて2種類が存在していることをご存知ですか？
1つめは一般的にかまぼこと言って想像する、板に乗った白や赤色のかまぼこ。これは魚のすり身に調味料を加えてよく練り、蒸して仕上げたものです。鈴廣（すずひろ）や籠清（かごせい）といった小田原かまぼこが全国的に有名です。
2つめは同じく魚のすり身に調味料を加えてよく練り、丸や棒状にして揚げたもの。これを揚げかまぼこと呼びます。西日本に多く見られ、私たち関東地方民が「さつまあげ」と呼んでいるものがこの揚げかまぼこに当たります。
そして本記事で紹介する、石垣島名物の八重山かまぼこも揚げかまぼこの一種です。
八重山かまぼこを食べる
今回いただいた八重山かまぼこは創業87年を誇るという「かみやーき小（なんて読むんだ？）」のかまぼこセット。たくさんの種類が真空パックになっています。
箱にはこのような記述があります。『昔から漁業が盛んな沖縄海人がサバニ舟に乗り捕ってきた魚を練って日持ちするように油で揚げたのが沖縄･八重山かまぼこの始まり』
ちなみに「サバニ」というのは南西諸島で古くから使われてきた小型の漁船のことを指します。こういう単語が出ると魚好きの血が騒ぎます。（たしか日本さかな検定で出題されたことがあります）
八重山かまぼこの原材料表示からわかること
さすがに原材料は輸入のものも使われているようですね。今や国産の原料だけでかまぼこを作ることはほとんど不可能です。
イトヨリダイはかまぼこや練り物によく使われる魚で、上品で美しい白身魚です。お刺身で食べても美味しいですよ。
ちょっと待て。「ぴぱーず」ってなんだ！？
石垣島のお土産の定番品、八重山かまぼこには「ぴぱーず」が使われているらしい。ぴぱーずって何やねん。
最初は海藻の一種かと思い、自分の知識不足に少しショックを受けたのですがどうやら海藻ではない模様。
調べてみたところぴぱーずとは八重山地方の方言で、「島胡椒」のことを指すそうです。ヒバーチ、ピパーツ、ピパーチなどとも呼ばれるらしいです。
たしかに発音してみるとPepperに非常に近いですよね。お土産にこうした現地ならではの食材や調味料が使われているのは嬉しいですね。すごいぞ八重山かまぼこ。
いろんな味があって楽しい&美味しい
ようやく八重山かまぼこをいただきます。
アーサ（あおさ）入りの八重山かまぼこは香りが良く、見た目も青色が鮮やかでとっても食欲がそそります。
日常的に食べるさつま揚げなどと比べるとやはり歯ごたえがしっかりしていてとても美味しいです。
高級なかまぼこであるほど基本的には歯ごたえが強くなります。それは、魚肉の含有量と原料の質の高さから来ています。
魚肉が多く使われているかまぼこほど歯ごたえ（弾力）が強くなります。八重山かまぼこは良質なかまぼこです！
八重山かまぼこはそのまま食べることができます。温めなくても、冷蔵庫から出してそのまま冷たい状態でもとても美味しいです。
もちろん魚臭さもなく、ビールやお酒のおつまみにぴったりです。わさび醤油でいただきましたが、マヨネーズや七味唐辛子なども良く合いますね。
本土のかまぼことはひと味違った八重山かまぼこは、魚好きの私から見ても「買い」のお土産だと思います！石垣島に行った際はぜひ魚好きの方に買って帰ってあげてください。
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